"■「日本人的な美徳」の嘘..."

■「日本人的な美徳」の嘘
――この震災を経験して、日本という国に対して、日本人に対して感じたことはありますか。
私はそういう考え方を否定する。結果としてそう言わないと説明できないものもあるだろうけど。戦国時代の日本人と今の日本人は同じ気質ですか?
――違いますね。
違うよね。タイムマシンに乗って100年前の日本に戻ったら、生きていけますか?
――難しそうです。
東北の農民の古き良き伝統みたいにトイレットペーパーをやめてお尻を縄でふきますか? 「日本人の気質」と言われるものは、その時々の社会的状況に過ぎないんです。自分の知っている過去20年間くらいのものを、都合よく気質と言っているだけ。
避難所の中で日本人がとても行儀よく、慌てず、パニック起こさず、と言われましたが、アメリカを直撃したハリケーン・カトリーナの後に運動場に集まった人たちも同じでした。被災後に多くの人たちは実は非常に秩序正しく行動するというのが災害研究の常識です。じゃあ、そういう社会規律が崩れる条件はなんだろうか。極限状態だったならば、みんな立派にしていただろうか?
実際には、盗難、略奪、いろいろあったんです。避難所の中で子供の泣き声が気になって、お年寄りが刃物を振り回したとか。私も覚えています。避難所に入ったときの、ものすごい緊張感。もう、爆発寸前の火山です。そんな、清き正しき律儀な日本人、なんて状況じゃない。ギリギリのところで規律を保っていたんです。
外国人に関して言えば、尖閣諸島と竹島問題とかが、あの時点で今の状況になっていたら、どうなったものか。実際、当時だってデマがTwitterで流布していました。仙台でも摩擦が生じたけど、爆発点に達する前に解消されて大事に至らなかったことがあった。だから、日本人の気質とか、自分にとって都合のいいものを繋いで美化しても意味がないと思います。
”- 「人は簡単に『忘れてはいけない』という。でもね……」外国人歴史家が体験した3.11 (via akiyoshi)
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