"最初の上司:..."
最初の上司: すごい人・憧れる人・気のいい兄ちゃんタイプ
最初に出会った上司は凄腕のプログラマーだった。コンピュータのおよそあらゆることに精通していた。
WindowsのWordもExcelも使えないような新人の自分がコンピュータの操作方法が判らずわけのわからない質問の仕方をしても、的確に問題点を分析してすぐに解決してくれた。
当時の自分はまったくの未経験からSQLやJavaのプログラムを書き始めて、知らないこと・わからないことだらけだった。
そして新人にありがちな、「何がわからないのか判らない」状態だった。
質問の仕方も下手だった。
すごい・憧れる・でもこわい
この人はすごい能力を持っていて憧れるけど、指導の仕方はぶっきらぼうで変なことをしたり間違えると怖い。でもいつも状況を正しく把握し、的確な処置をしてくれた。
俺はこの上司の下に配属されて本当にラッキーだった。入社した頃からそう思っていた。
「バカみたいな質問したら怒られるかもしれないし、『こいつダメだ』と嫌われるかもしれない…」
こんな風に適度な緊張感があって、安易に何でも教えて教えてなんて言えなかった。
だから質問する前に「何がわかっていないのか・何をしてどういう問題に直面したのか」を整理するよう心がけた。
たぶん、単純に怖いだけじゃダメで、憧れるような高いスキルをもっていて、ちゃんと面倒を見てくれる人だったから良かったんだと思う。
最初の会社を辞めるまで、ずっとこの人を目標に勉強して、仕事を頑張った。
会社のグループの飲み会で自分が最近覚えている言語やツールの話をすると、ニコニコ笑いながら話をしてくれた。
たぶん「頑張ってんなー。でもまだまだ解ってねぇなぁw」みたいに思っていたんだろう。
ぶれない・ちゃんと見ている
それと、納得のいかないことや筋の通らないことは許せない性格の人だった。
気に入らないことは役員や上司を捕まえて徹底的に議論していた。
その上でビジネス的にどうしようもないことは責任を持って解決していた。
伝聞や他人の評価を鵜呑みにしない人で、日頃の働きぶりを抜け目無く見てる人だった。
(ちゃんと見ているわけだから余計怖いのだww)
ほめてくれる
あと、たまに褒めてくれるのがすごく嬉しかった。
プログラムを書く作業を任されて、上司は俺が書いたコードを見て
「◯○(←俺のこと)、お前、プログラムどこで覚えてきたの?」
「えっ!?…本とかネットですけど。。。何か変なことしてましたか?」
「プログラム書き始めて何年?」
「えっ…会社入ってからだから、一年です。」
「…」
「(何だろう…こわい…)」
「それにしてはよく書けてる。」
「そうですか!?(内心嬉しくてドキドキ)」
「お前、いきなりコード書かせてよくやってんなぁと思ってた。」
「(俺もう泣きそう)ありがとうございます!!」
こんなエピソードが何回かあった。
二人めの上司: 未だに他人と比較してしまう仕事がすごくできる人
二人めの上司は現場のリーダーとかマネージャーをやっていた。
最初の上司からは技術的な姿勢を学んだけど、この人からは仕事のやり方を学んだ。
準備を怠らない
ある会社に常駐する仕事をするための事前面接の準備を一緒にしてもらったことがある。
上司は面接の予想問題を10問作って俺に解答を作らせた。
全然書けないんだこれがww 自分がいかに何もやってこなかったか・何も知らないかを痛感させられた。
文章も冗長で解りにくかった。表現も下手で厳密でなかった。
上司は喫茶店に俺を呼び出して2時間がっつりダメ出しをし、どう答えたらいいかを詳しく説明してくれた。一緒に日本語の文章も考えてくれた。
特に、↓こんなことを言われてすごく勉強になった。
「一度に沢山言おうとしないで下さい。面接だと色々アピールしたくなって沢山喋ろうとするけど、ごちゃごちゃして相手はすぐに飽きてしまいます。」
「その部分全部カットしましょう。もし面接官が回答に対して突っ込んできたら答えましょう。」
「ここで言いたいのは要するにこの3つなんですよね?だったらひとつずつ順番に整理して説明して下さい。ものを説明するときはディレクトリがあって、ファイルが並んでいるみたいに、構造を考えてシンプルに整理して下さい。喋りにも階層構造があるんです。」
上司は面接の準備を始めたとき、
「準備さえしていけばそんなに難しい面接じゃないんですけど、しないとグダグダになって落とされるのでちゃんとやっておきましょう。」
と言っていた。
そして時間を割いて手取り足取り教えてくれた。
当日の俺の喋りはちょっとたどたどしかったけど、お陰で面接はすんなりパスした。
面接した後に
「上出来です。たぶん大丈夫だと思います。もしこれでダメだったら社内の他の案件探しますよ。」
と言ってくれた。嬉しかった。
やっぱり褒めてくれると嬉しい。
厳密な言葉や表現を用いる
この上司はコミュニケーションの取り方や言葉や表現の厳密さにこだわる人だった。
簡潔で過不足の無い表現を用いるよう心がけさせた。
さっき書いたことだけど、ものごとには構造があって、構造をはっきりさせつつ伝えるコミュニケーションを重視した。
仕事でもいきなり話しかけて口頭でコミュニケーション取るんじゃなくて、Skypeで相手に伝え、答えることをみんなに求めた。
Skypeのチャットで相手に解ってもらうよう伝えるには文章の書き方を工夫しなければならない。
日頃の習慣から伝えやすい言葉や表現を使うよう強制的に追い込んだ。
最初は大変だったけど、今は続けて良かったと思う。
余計な口出ししない・自分の価値観を押し付けない
上司は自分の考えをもって行動する人だったけど、技術的な知識で部下の方が優っている場合は余計な口出しをせず一任した。
仕事が円滑に進むことを最も重要視した。
よくリーダーやマネージャータイプの人に多いのが、仕事術や考え方・価値観を熱く語って、しかも押し付けてくる人だ。
上司はそういうタイプではなかった。淡々としてた。
(淡々としすぎて怖いときも沢山あった)
仕事も本当に段取り良く進めるで、この人の仕事のやり方を身につけようと思って自分も仕事に取り組んだ。
それから転職して今も色々な人と出会って一緒に仕事したりしているけど、リーダー・マネージャー系の人と会うといつもこの上司と比較してしまう。
まるで昔の恋人と今の相手をつい比べてしまうかのように、
「こんなとき、あの人だったらこういうことはしない。」
とか
「もしそうなったら、あの人だったらこういう方法で取り組んだと思う。」
とか
”-
二人の上司 - 今川館 (via kennak)
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