"(町山智浩)その人が、オプティマスプライムっていう、日本ではコンボイって言われる、いいロボットのリーダーを見つけてですね。ところがそれがCIAに追われるっていう話になるんですね。なぜか。なぜか?って理由..."

(赤江・山里)はい。
(町山智浩)するとそのテキサスにいる、おっさんのカードがですね、中国建設銀行のカードなんですよ。
(赤江・山里)ええっ!?
(町山智浩)意味分かんないですよね、もう。要するに、中国建設銀行がお金を出しているんで。この映画。
(山里亮太)スポンサーになっているから。
(町山智浩)テキサスのど真ん中の、アメリカ人のおっさんがなぜか中国建設銀行のカードを持っているんですよ。
(赤江珠緒)不自然過ぎる!
(町山智浩)ものすごく不自然なんですよ(笑)。どういうこと!?って思うんですけど。そういうシーンの連続で。ロボット同士が戦っていると、いきなりビールをたくさん積んだ、ビールを運んでいるトラックが潰されるんですよ。ガシャーン!って。で、そこに主人公のマーク・ウォールバーグが行って、ビールを掴んで、ゴクゴクゴクッ!って美味そうに飲むんですよ。
(赤江珠緒)えっ?
(山里亮太)CMを中に入れちゃっているみたいな感じだ。
(赤江珠緒)戦闘中でしょ?
(町山智浩)これ、バドライト(BUD LIGHT)っていうバドワイザーのライトビールの広告が中に入ってるんですよ。すごいことになってるんですよ、この映画。
(山里亮太)ちょっとコメディーみたいになってきちゃいますね。それは。
(赤江珠緒)緊迫してる状況で。バドワイザー飲む?
(町山智浩)緊迫した、もう戦闘シーンですよ。ガッチャンガッチャンの。すごいですよ。で、香港行ってからの戦闘がすごくって。香港で空中戦になるんですね。巨大戦艦と。で、主人公の方の、いい方のロボットがですね、撃墜されて落ちるんですよ。香港の高層ビルの上から下に。するとなぜか風光明媚なですね、美しい風景のところに落ちるんですよ。いいロボットが。で、どこだろう?と思うと、そこは重慶っていうところにある。中国の。カルスト国立公園なんですね。
(山里亮太)はい。
(町山智浩)そこでロケしていて。そこに落ちるんですよ。香港から。
(赤江珠緒)なんで(笑)。香港だったんでしょ?
(町山智浩)香港から重慶に落ちるんですよ。で、これがどうしてか?っていうと、重慶の観光会社がお金を出したからなんですよ。何億円か。
(赤江・山里)(笑)
(赤江珠緒)おっとっと。いろいろ盛り込んできますな。
(町山智浩)ところが香港と重慶っていうのは、1000キロ以上実際は離れているんですよ。あの、東京と博多間ぐらい離れているんですけど。
(山里亮太)そんな飛ばされたんだ。
(町山智浩)そう。で、そこに落ちたやつらが、そのまま走っていってまた香港に着くんですよ。香港と重慶、隣同士みたいになっているんですよ。裏山が重慶みたいになってるんです。
(赤江・山里)(笑)
(町山智浩)これはね、さすがに観光協会も映画見てびっくりして怒って。これは話が違う!っていって、いま裁判になっていますね。
(赤江珠緒)そうでしょうね。それ、中国の人が見たら余計に違和感、感じるでしょう。
(町山智浩)でも、アメリカ人は中国人にとっては1000キロくらいはご近所だろう?って感覚だったんだと思うんですよ。ちょっとその辺がアバウトすぎたんですね。はい。で、あと戦闘シーンみたいなところがあって、さっき言ったスティーブ・ジョブズそっくりの会社の社長が逃げるんですけど。逃げていると突然ですね、通りがかりの人がものすごいパンチでですね、敵の悪いやつをバンバンやっつけていくっていうシーンが出てくるんですよ。
(赤江・山里)うん。
(町山智浩)で、ただの通りすがりの人で。それで終わっちゃうんですけど。なんだかわかんないんですよ。その人は、中国の金メダルボクサーなんですね。
(赤江珠緒)ほー!
(町山智浩)でも、見ているとなんだかわかんないんですよ。これ。中国の人は喜ぶのかもしれないですけど。
(山里亮太)中国向けにだけ映っているシーンじゃなくて、これ全世界に向けてそのシーン、映っているんですか?
(町山智浩)まあ映っているんですけど。全世界の人がわからないですよ。でも中国が300億円くれるから、いいんですよ!300億円儲かるから。
(赤江珠緒)そっかー。だから2時間45分もあるのか。
(町山智浩)2時間45分もあるのは、各会社が『○秒以上この商品を映してくれ』って言ってるから、どんどん長くなるんですよ。
(赤江・山里)ええーっ!?
(町山智浩)で、いちばんすごいのは、スティーブ・ジョブズそっくりの社長が敵に追われてビルのてっぺんに逃げるんですね。するとビルのてっぺんになぜか冷蔵庫があって。冷蔵庫を開けるとですね、紙パックの牛乳が入っていて。その紙パックの牛乳をチュー!って飲むんですよ。そのスティーブ・ジョブズそっくりの男が。ぜんっぜん意味がないんですよ。ビルの頂上に冷蔵庫、ねーし!みたいなね。いま牛乳飲んでいる場合じゃねーし!って思うんですけど。それは牛乳会社のタイアップなんですね。
(赤江珠緒)『トゥルーマン・ショー』でそういうの、あったじゃないですか。なんか広告、宣伝が入っている。
(町山智浩)そうそう。パロディーみたいになってるんですよ。もう。
(山里亮太)もうコントですよ、コント。
(町山智浩)コントみたいになってるんですよ。すっごいですよ、この映画。あらゆる意味で、いまの映画の現状っていうか、映画の未来みたいなものがここにあって。本当にね、うんざりした・・・いや、最高の気持ちになりますね!はい。
(赤江珠緒)(笑)。なにか漏れてますよ。
(山里亮太)町山さん!
(町山智浩)『これが映画の未来なんだ!』って思いますね。『これが世界でいちばん儲けている映画なんだ!』と思いますけどね。”
- 町山智浩が語る トランスフォーマー/ロストエイジが映画界に与えた衝撃 (via fialux)
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